株式投資で利益を得るには、企業の株価が将来どのような値動きをするのかを予想しなければなりません。

購入した株式の株価が上下した時に決済の売買を行うことで、利益が出たり、損失が出たりします。

株価がなぜ動くのかを理解することで、株式投資で利益を上げるためのポイントが理解できるようになります。

株価が変動するしくみ

株価は日々変動しますが、一体誰がどのようにして株の価格を決めているのでしょう?

実は、株価を決めているのは「市場に参加している投資家全員」です。

投資家たちにはそれぞれ思惑があり、ある投資家は「この銘柄は1株100円だったら買う」、別の投資家は「150円までなら買う」または「200円出しても買いたい」などというように、それぞれ違った考えで投資を行います。

人気のある株は買いたい人がたくさんいるので値が上がっていきますし、人気のない株は誰も買いたくないので値が下がっていきます。

逆に、投資家の中には株を売りたい人もいます。

単に売りたいのではなく、「200円で売りたい」「150円で売りたい」「これ以上持っていても損をするだけだから100円で売れば御の字だ」などと、売りたい人にもそれぞれの思惑があります。

人気のある株なら高値で売れますし、人気のない株なら値を下げないと売れません。

この「買いたい」という需要と、「売りたい」という供給が一致したところが株価になります。
売りたい人と買いたい人のバランスによって、株価が決定されるのです。

市場に参加している投資家は日々違いますし、同じ投資家でも毎日違う立場や思惑を持っているので、需要と供給のバランスは毎日、毎時間、毎分、毎秒変わっていきます。

この変化が、株価の変動につながるのです。

投資家の心理に与える要因

株価を決めているのはすべての投資家です。
では、投資家はどのような要因で株を買ったり売ったりするのでしょうか?

投資家達は、さまざまな情報を見ながら投資を行っています。

企業の業績や景気、為替レートなどは多くの投資家がチェックを行っています。
政治や経済のニュースはもちろん、グローバル化が進んだ現代では国際関係情勢も投資の上でとても重要です。

しかし、各情報の受け止め方は、投資家によって異なります。

同じ情報を見ても、ある投資家は「これを材料に株価が上がる」と考えるのに対して、別の投資家は「これは株価が下がる材料だ」と考えることがあります。

株価を直接動かすのは、情報そのものではなく、情報を知った投資家達が何を思い、どう行動するかなのです。

投資家達の心理と行動で需要と供給のバランスが動き、新しい株価が自然と決められていきます。

企業の業績や各種のニュースは株価を動かす直接的な要因というよりも、投資家達の心理を動かす要因と言えます。株価を動かすのはあくまで投資家の心理や行動なのです。

この後の節では、投資家の心理や行動を動かす要因について個別に解説していきます。

企業業績の影響

もっとも株価に影響を与えるのは、企業の状態を示す「企業業績」です。どのような要素が株価に影響を与えるのか、1つずつご紹介します。

1.業績の好不調

業績が良ければ株価が上がり、悪ければ下がります。

業績が悪いと配当や株主優待が受けられないため投資家が株を手放すので投資家は株を手放し、結果的に株価が下がっていきます。

逆に業績が良ければ、配当や株主優待が受けられるので、その企業の銘柄は人気が出て株価が上がっていきます。

さらに、業績の良い企業は資金に余裕ができるため、事業の拡大や設備投資を行ってさらに業績を伸ばそうとします。この姿勢が投資家から好感を持たれると、さらに株価が上がっていきます。

企業の業績を予想、把握、分析することは、株式投資を行ううえで最も大切なものの1つと言えます。

2.企業的な要因

業績以外で企業が注目されても、株価の変動が大きくなります。

例えば新製品の発表や新工場の建設、新事業の発足などが挙げられます。
これらが発表された時点では、企業の業績が直接変動したわけではありません。

しかし、投資家からは経営が順調な証拠であると好感を持たれ、株価にプラスの影響が出やすい傾向があります。

また、関係者の不祥事などが発生すれば、企業イメージが悪くなるので株価にマイナス変動が大きくなります。

社長の引退や経営陣の交代による株価変動も企業的な要因に含まれます。
この場合はどちらの方向に株価が動くか一概には言えません。

3.株式の分割

株式の分割(引用:日本証券業協会)

株式分割とは、企業が発行済の株式を決められた割合で分割して小口化することです。

例えばある投資家が1株1,000円の銘柄を1株持っているとしたら、株式分割後のその投資家の保有株は5株1,000円(1株あたり200円)となります。

株式分割の前後でトータルの価値が変わることはないので、投資初心者は「なぜ株式分割を行うのか」と疑問に思うでしょう。

株式分割が行われると株の単価が安くなるため、個人投資家が購入しやすくなります。
結果として流動性が高くなるため、投資家の評価が良くなり、株価にプラスの効果が出やすくなるのです。

4.増資

増資とは、企業が資本金を増やすことです。

投資初心者は「業績が良いから資本金を増やす。つまり株価が上がる」と思いがちですが、多くの場合、増資が行われると株価が下落します。

増資が行われると、新しく株式が発行されます。
発行済の株式の総数が増えるため1株あたりの利益が減少し、株の価値が「希薄化」されるのです。

増資後に増資前と同じ利益を得るには保有株の量を増やす必要がでてくるので、増資は投資家から敬遠されるのです。

しかし、増資が行われても常に株価が下落するとは限りません。

増資の目的が新事業への投資や設備投資など前向きな目的であれば、株価が上がる場合もあります。

その逆に、単に「希薄化」を狙うことで株の価値を下げて企業の買収を防ぐなどといった後ろ向きの目的で増資が行われた場合は、株価が大きく下落する可能性があります。

5.自社株買い

自社株買いとは、企業が発行した株式を企業自身が買い戻すことです。発行済株式数が減少することになるため、増資の場合とは逆に1株あたりの利益が上がります。

自社株買いを行う企業は、株主への利益還元に積極的とされて好感を持たれ、株価が上昇します。

株主への利益還元策は、企業にとって2つ存在します。「配当」と「自社株買い」です。

買い戻す自社株が割高だと判断する企業は「配当」を選ぶ傾向があります。

自社株が割安だと判断した企業は、「自社株買い」を行うことが多いです。

自社の株を「安い」と評して買うということは、将来株価が上がると見込んでいる証拠とも言えます。つまり自社株買いは「未来に自信を持った会社」であるというアピールにもなるので、投資家から好感を持たれ、株価が上昇する可能性が高いのです。

6.M&A

M&Aとは、企業の合併と買収のことです。企業同士が結びつくことで企業価値が高まると投資家の多くが判断した場合は、株価が上昇します。

大まかな傾向として、買収側の株価が数%下がり、被買収側の株価が上がるとされています。

7.市場の鞍替え

上場している企業が別の市場に上場を変更することを「鞍替え」と言います。東証2部から東証1部へ、東証マザーズから東証2部へと上場場所を移すのが典型的な鞍替えの例です。

ランクの高い上場市場へ移行するのは、投資家にとってプラス材料です。東証2部から東証1部に上がった場合には、多くの場合5~10%ほど株価が上昇する傾向があります。

東証1部に鞍替えしそうな銘柄を探して先行投資しておくと、鞍替えに成功してランクアップした時にかなりの利益を得ることができます。

為替の影響

外国為替市場の動向は、各企業の株価に大きく影響します。円高のときと円安のときでは影響が真逆になります。

円高や円安について簡単におさらいしておきましょう。

円安ドル高とは、1ドル=100円が1ドル=120円になるような変化です。日本円の価値が下がっています。

円高ドル安とは、1ドル=100円が1ドル=80円となるような変動です。日本円の価値が上がっています。

円安の場合、メリットを受けるのは輸出産業です。

仮に、相手国に1万ドル分の商品を輸出した場合は、円安前は100万円の売上となります。ところが円安後であれば、同じ商品を輸出しても120万円の売上になるのです。

一方で、輸入産業は円安によってダメージを受けます。同じ1万ドル分の商品を輸入するために、前は100万円を払えばよかったところを、円安後は120万円払わなければいけなくなるからです。

円高の場合は上記と逆のことが発生します。

輸出産業はダメージを受け、輸入産業は利益を増やします。

投資家はこれらのことを考慮しながら投資を行いますので、為替の変動がが株価に与える影響は大きいのです。

外国人投資家の動向

為替の影響は外国人投資家の動向にも影響します。

円高ドル安になると、外国人投資家が円建ての資産に投資を行うようになるからです。

例えば外国人投資家が1株160円の日本の銘柄を買うときを考えてみましょう。

1ドル=100円のとき、外国人投資家は1ドル払っても1株を買えません。
しかし、円高が進んで1ドル=160円に円安になった場合は、1ドル出せば1株買えるのです。

このように、円高になると外国人投資家にとって有利になるため、円高が進むと外国人投資家の投資が活発になります。投資が活発になると、株価が上昇していきます。

その一方で、海外の年金基金などは、円高になると運用している資産の中で円資産の割合が高くなってしまいます。

保有資産が円ばかりになるのは分散投資やリスクヘッジの観点から言えばマイナス要因なので、円資産の割合を減らすために保有株を売るケースもよく見られます。

株が売られるということは株価が下がるということなので、円高になれば必ず株価が上がるというわけではありません。株価は複雑な要素が絡み合いながら定まっていくのです。

金利の影響

金利と株価には強い相関関係があります。

原則的に、金利が上がれば株価が下がり、金利が下がれば株価が上がります。金利と株価が逆連動の関係になる理由は、主に2つあります。

1.企業の業績が悪くなる可能性が高い

企業は一般的に借金をしています。
金利が上がると借金の金利が増える場合があるため、業績に悪い影響があります。

また、金利が上がると企業がお金を借りなくなるため、積極的な設備投資や事業拡大が行われなくなります。

この結果、企業の業績が伸び悩み、それを見た投資家が投資を渋るため、最終的には株価に反映されるのです。

2.投資家が他の金融商品を選択する

説明のために、極端な例を挙げます。

株式投資で年平均1%の利益が得られると仮定し、銀行預金の金利も1%になったとします。

どちらに資金を投下しても同じく1%の利益の利益を得られますが、この条件ならば多くの人が銀行預金を選ぶでしょう。
銀行預金は株式投資と違い、元本を保証されているからです。

多くの人が株式投資より銀行預金を選ぶようになれば、株式市場は冷え切って買い手がいなくなります。株に需要がなくなると、需要と供給のバランスが崩れて株価が安くなっていきます。

逆に、金利が下がれば預金や債券よりも株式投資を選ぶ人が増えるため、需要と供給のバランスが株価を押し上げる方向に変わるのです。

ただし、上記には例外もあり、経済全体が上向きで金利が上昇しているような場合は、株価も上がって行く可能性があります。

景気全体が良いと企業が事業拡大や設備投資を考えて、多少金利が高くてもお金を借りるようになるからです。

企業は借りたお金を積極的に運用して業績を向上させ、それが株価に反映されるようになります。

政治・外交

政治や外交は投資家にとってインパクトのある要素なので、株価にダイレクトな影響を与えます。

1.政治

政策が変更されると、影響を受ける業種の銘柄が敏感に反応して値動きをします。代表的なものは金融政策で、金融緩和または引き締めが発表されると株価が大きく動きます。

他の例を上げると、例えば住宅の取得に補助を出す政策が決定された場合は、住宅を手に入れようとする人が増えるため住宅メーカー等の株価が動きます。こういった動きはわかりやすいので見逃さないようにしましょう。

具体的な政策ばかりではなく、単に「政治が先行き透明」「政策が決まらない」などといったある程度抽象的な理由でも株価は変動します。

なお、株価の急激な下落を防ぐために、政府が公的資金を投入して下支えを行う場合があります。これは株価維持政策と呼ばれ、投資家はこういった政府の動きに反応して市場に参入するため、株価が乱高下することがあります。

2.外交

外交は政治の一分野ですが、「民間外交」という言葉もあるため、政治とは別に考えることもできます。

政府の外交政策によってある国との関係が悪化した場合は、その国に工場や支店があるか取引を行っている企業の株価が下がります。わかりやすい例が、中国との間に存在する尖閣諸島問題です。

ある時期中国人が大規模デモを起こし、日本製品の不買運動をしたり日系企業の工場を閉鎖したりしました。現地の日系企業、日本製品を扱っている店舗、日本食レストランなども大きな被害に遭い、中国関連銘柄に大きな悪影響が発生しました。

現代では一民間人がある国に対して侮辱的な言動を行っても、SNS経由で全世界に拡散されます。その結果、侮辱された国の国民感情が悪化して経済に悪影響を及ぼし、株価にまで反映される可能性があります。

逆に、国同士の関係が良好になり、今後の経済交流が盛んになる見込みが増えた場合は、その国と関わりのある銘柄の株価が上昇しやすくなります。

気候や自然災害、戦争など

気候・自然災害・戦争も株価と密接な関係があります。

1.気候

猛暑の予報が出るとエアコンや冷たい飲み物の需要が増え、関連銘柄の株価が伸びます。逆に厳寒が予想されればエネルギー消費が増えるのでエネルギー関係株が伸びます。

気候が不安定で農作物の不作が発表されると、農作物を扱っている企業の株価に悪影響が発生します。

2.自然災害

大雨や洪水などの農作物が被害を受けると、その農作物を扱っている企業の株価に悪影響があります。

また、大きな地震が起きると物流に大きな影響があるため、各業種が大きな打撃を受けて全体的に株価が下がります。一方で、震災後の復興需要を見込んで建築や復興関係企業の株は上昇することがあります。ある程度の長期間株価が上昇し続けた例もありますが、不謹慎という理由で報道は控えられる傾向があります。

3.戦争

戦争が発生すると、当事国及び周辺国と関わりのある銘柄が下落します。投資家がリスク回避のために株を手放すからです。

戦争が発生した場合、外国株を行っている人であれば、外国の軍需産業の株を検討してみましょう。値上がりが期待できる場合があります。

国内株に軍需関連銘柄はありませんが、代わりに防衛関連銘柄というものが存在します。機雷や小銃等、自衛隊で使用される品物を防衛省に納入している企業がこれにあたり、有事の際には株価が上がる可能性が高いと考えられています。

株価が変動するしくみ まとめ

株式投資で必要な知識、なぜ株価が変動するのか。また、変動する要因は何かを紹介しました。

著名な経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「雇用・利子および貨幣の一般理論」で、金融市場での投資家の行動パターンの例えとして下記のように表現しています。

玄人筋の行う投資は「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える新聞投票」に見立てることができるとして、この場合「投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」と語っています。

株で勝って利益を得るには、心理をとらえるのが良いのかも知れません。

以上、「株価が変動するしくみ、株価に影響を与える要因」でした。


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