利益確定のタイミングで売る

投資家にとって最大の悩みはいつ売ればいいのか。もう少し待てばもっと上がるかといった売り時のタイミングの見極めにあります。

いくら株価が上昇しても、売らなければ手元に利益を残すことはできません。

利益確定、または、利益確定売りとは、含み益が出ている状態で株式を売却して利益を確定させることです。

売買のタイミングを見るのに効果的なのが株価チャートです。
数字ではなく株価チャートのトレンド(流れ)の方が判断しやすいからです。その判断方法がテクニカル分析です。

テクニカル分析は過去の株価変動から将来の株価を予測して株式売買のタイミングをチャートから分析する方法です。

テクニカル分析の方法

テクニカル分析には多くの分析方法があります。投資家はそれぞれ自分の投資スタイルに合ったものを何タイプか選んで自分のルールで使用しています。代表的なテクニカル分析を紹介します。

<主なテクニカル分析>

暴騰レシオ

騰落レシオは市場全体の売買動向を表す指標です。
市場全体が買われすぎなのか、売られすぎなのかを判断するための指標で、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って数値を出します。

25日間の騰落レシオを例に計算式を確認しておきましょう。

【騰落レシオの計算式】

25日間の値上がり銘柄数 ÷ 25日間の値下がり銘柄数

なお、一般的には約1か月間の中期市場動向を見るため25日間で見られる場合が多いですが、1週間の短期市場動向を見るために5日間の騰落レシオを見る場合や、5日間と25日間の騰落レシオの推移を比較して市場全体の動向の変化を読み取ろうとする場合もあります。

用途に応じて日数は変更するようにしましょう。

なお、騰落レシオは値動きに対して先行性があると言われており、例えば騰落レシオが120%以上で市場全体は買われすぎとなり、近い将来の下降トレンドを警戒して利益確定を考え、80%以下で市場全体は売られすぎとなり近い将来の上昇トレンドを予想して安値での買いを考えるべきであるとされます。

ただし、必ずしも80%から120%の間を推移しているわけではなく、相場急落時の大底圏などでは騰落レシオが50%程度まで下降する場合もあるため、例えば騰落レシオの数値が80%という情報のみを頼りに株を購入すると更なる下降トレンドへ巻き込まれる恐れもあります。
従って騰落レシオのみで売買判断を行うことは危険性を伴うため、あくまで1つの判断指標として捉えるべきでしょう。

【騰落レシオでの売買判断例】

120%以上 = 株の利益確定売りを検討(新規購入は見送り)

80%以下 = 株の安値買いを検討(利益確定売りは見送り)

移動平均線

移動平均線(Moving Average)は、いちばん知られているテクニカル分析と言えるかもしれません。
2本の移動平均線を組み合わせて、例えば25日移動平均線と75日移動平均線で過去と直近の値動きを比較して株価のトレンドを判断する材料として活用します。
2本の移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドを示しています。

5日移動平均線を例に計算式を確認しておきましょう。

【移動平均線の計算式】

直近5営業日の終値の平均値を算出します。例えば5営業日前の終値が500円、4営業日前が600円、3営業日前が550円、2営業日前が500円、1営業日前が450円の場合。

(500円+600円+550円+500円+450円)÷5=520円

この数値を毎営業日分結んだ曲線が移動平均線となります。

そのため、チャート上ではロウソク足の上下動を移動平均線が追従するような配置になります。

25日移動平均線の場合には直近25営業日の終値の平均値を結んだ曲線、75日移動平均線の場合には直近75営業日の終値の平均値を結んだ曲線となります。

加えて、2本の移動平均線を同時に表示する場合、短期移動平均線と長期移動平均線の交差をトレンド転換の判断材料とする方法もあります。具体的な事例を見てみましょう。

武田薬品工業(4502) 日足チャート

こちらは武田薬品工業(4502)の日足チャートへ、25日移動平均線(短期=赤線)と75日移動平均線(長期=青色)を表示したチャートです。

短期移動平均線の方が長期のものに比べて直近のトレンドを反映しやすいため、曲線がロウソク足に張り付つくように推移していることが分かります。

下降トレンド発生時には、まず短期の25日移動平均線が下へ向けて曲線を描き始め、長期の75日移動平均線と交差します。このポイントをデッドクロスと言い、下降トレンド開始の判断ポイントとなります。その後、移動平均線は25日、75日ともに下方向へ向いて鮮明な下降トレンドへ突入します。

つぎに下降トレンドが底を打ち、株価が復調を見せるタイミングでもいち早く短期である25日移動平均線が上昇を開始し、長期である75日移動平均線と交差します。このポイントをゴールデンクロスと言い、上昇トレンド開始の判断ポイントとなります。

【移動平均線での売買判断例】

1.短期移動平均線と長期移動平均線が両方とも上向き

上昇トレンドのため株は保有継続

2.短期移動平均線と長期移動平均線が両方とも下向き

下降トレンドのため株の購入は様子見、株を保有している場合には損失確定売り(損切り)を検討

3.ゴールデンクロス

上昇トレンド開始を予想し株の購入を検討

4.デッドクロス

下降トレンド開始を警戒し保有株の利益確定売りを検討

 

トレンドライン

トレンドラインとは、上昇トレンドの時には安値と安値を結んだ線を下値支持線、下降トレンドの時には高値と高値を結んだ線を上値抵抗線と言います。
上値抵抗線や下値支持線を直近の株価が突き破るとトレンド転換と判断します。また、長期に渡って度々株価が反発しているトレンドラインであればその分トレンドラインは有効に機能しており判断材料として有用であると考えられています。

具体的な事例を見てみましょう。

チャネルライン トレンドライン

こちらは衣料品の販売を手掛けるユニクロを展開しているファーストリテイリング(9983)の週足を表示したチャートです。複数の移動平均線も右肩上がりであり上昇トレンドとなっており、安値を結んだ線が下値支持線(トレンドライン)となります。

ロウソク足が下値支持線を突き抜けた場合には上昇トレンドの終了を意味するため、株を保有している場合には利益確定売りを検討すべきサインとなります。

ファーストリテイリングは週足で見れば上昇トレンドを継続中と判断できるため、株を保有している場合には売却せずに様子を見るとよさそうです。

もう1つ具体的な事例を見てみましょう。

トレンド転換

こちらはカメラやビデオ、プリンタなどを扱う大手電機機器メーカーのキヤノン(7751)の日足を表示したチャートです。チャートは下降トレンドから上昇トレンドへ転じる場面です。

下降時の上値抵抗線をロウソク足が下から突き抜けて下降トレンドが終了、上昇トレンドへ転換していることが分かります。

株の購入を検討するならば、トレンド転換のサインを確認した後ということになります。

なお、株価が一時的にトレンドラインを抜けてしまっても、すぐにトレンドラインの内側へ戻ってきてトレンドの転換サインとならない場合もあります。テクニカル分析ではトレンド転換のサインに見えてもトレンド転換しないケースを「ダマシ」と言います。

ダマシに引っかかると売買チャンスを逸してしまったり、損失を被ったりする場合があるため、投資家はダマシに合わないように注意が必要です。

ダマシに引っかかる可能性を低減するためには単一のテクニカル分析方法や情報を鵜呑みにするのではなく、複数のテクニカル分析方法や相場全体を動かす様々な情報のファンダメンタルズ分析を行い、相場を多面的に分析するようにしましょう。

【トレンドラインでの売買判断例】

1.上昇時の下値支持線の上で株価が推移している場合

上昇トレンドの継続を予想し株を保有

2.上昇時の下値支持線を株価が下へ割り込んだ場合

上昇トレンド終了を予想し株を利益確定売り

3.下降時の上値支持線の下で株価が推移している場合

下降トレンドの継続を予想し株の新規購入を見送り

4.下降時の下値支持線を株価が上へ突き抜けた場合

下降トレンド終了を予想し株の新規購入を検討

なお、紹介した騰落レシオ、移動平均線、トレンドラインはテクニカル分析手法のひとつに過ぎませんし、これら以外にも多数の分析手法が存在しますので複数手法を試して自分にあったテクニカル分析を探すとよいでしょう。

損切りのタイミングで売る

株式投資の基本は安く購入して高く売却することです。

高値で売り抜くためにはトレンドの転換、タイミングの見極め方にあります。
当然ながらすべてがうまくいくわけではありません。

保有している株式の株価が下落して損をしている場合は損切りをしなければなりません。
損切りとは購入した株式が思った以上に値上がりしなかった場合、いま以上の大きな損失を出さないように売却することを言います。

投資も山あり谷ありなのです。この損切りが腹をくくってできるかどうかが投資家の資質を左右するのです。

加えて損切りは損失を確定するため、悪い印象を持つかもしれませんが、メリットもあります。

<損切りのメリット>

・損失を限定することができる

損切りをすることで損失額を限定することができます。具体的な事例を見てみましょう。

いきなりステーキ

これはいきなり!ステーキなどを展開する飲食チェーンのペッパーフードサービス(3053)の週足チャートです。一時期5000円~8000円台で推移していた株価が、店舗の売上が減少し2019年末時点では1259円まで下落しています。

例えば5000円で株を購入していた場合、4000円程度で損切り出来ていたならば損失は2割程度に抑えることができたはずです。しかし、もし2019年末時点まで株を持ち越していた場合には資産は7割以上減ってしまった計算になります。

株価が再び復調することへの期待や損失を避けたい、と願う気持ちから損切りができないという心理は大変よく理解できるところですが、その迷いが想定以上の損失を被ってしまう原因にもなります。

損切りの際に迷うことのないように株を購入する場合には価格がどの程度まで下がったら損切りを行うというルールをあらかじめ決めておくとよいでしょう。

・資金を有効活用することができる

購入した株が下落し塩付け株にしてしまった場合、資金が拘束され次に投資へ活用することができません。そのため、別の収益チャンスを逸してしまうことに繋がります。

損切り

例えば、こちらは作業服の販売チェーンを手掛けるワークマン(7564)のチャートです。先ほどのペッパーフードサービスを2018年に4000円で損切りして得た資金で2018年12月にワークマンの株を購入していた場合、2019年年末には損切りで被った損失以上の利益を手に出来ている計算になります。

もし、ペッパーフードサービスの株をそのまま塩漬け保有していた場合はこういった収益チャンスを逃してしまうわけです。

成行と指値注文で決済する方法

成行注文は、値段を指定せず、一刻も早く売りたいときに有効な注文方法です。

指値注文は、銘柄に対して、〇円まで上がったら売ってもよいと売値を指定して行う注文方法です。
成行注文と指値注文、この2つを併用すれば、保有している株式が値上がりして含み益が出ているときに売却する利益確定売り(利食い)の好機をしっかりとつかむことができます。

なお、それぞれの注文には約定の際に優先順位があります。

例えば売買したい時に有利な価格を希望するあまり指値注文を行い売買できないという事態を避けるために注文の優先順位も併せて確認しておきましょう。

注文の優先順位はこちらで紹介しています。

成行・指値・逆指値、株の注文方法について

逆指値注文で決済する方法

現在のレートより価格が上昇してから買うために出す注文や現在のレートより価格が下がってから売るために出す注文を逆指値注文と言います。

いくつか逆指値注文例を見てみましょう。

(1)損失限定時の逆指値注文(売り)

損失限定時の逆指値注文(売り)

株価の上昇を予想し株を1100円で購入後、予想に逆行して900円まで価格が下がった場合にこれ以上損失を増やさぬよう損失限定目的で売りの逆指値注文を行う場合です。

(2)利益確保時の逆指値注文(売り)

利益確保時の逆指値注文(売り)

株価の上昇を予想し900円で株購入後、一時は順調に株価が上昇し1000円以上の価格で推移していたとします。その時「さらに株価の上昇を予想して株の保有は継続したい」「けれども万が一下落した場合には株を1000円で手放したい(購入価格は900円のため差額の100円は利益として確保したい)」という場合に利益確保の目的で1000円で逆指値注文を行う場合です。

なお、予想通りに相場が上昇した場合は逆指値注文の値を訂正し1000円からさらに引き上げることで確保できる利益を増やすことができます。

(3)追尾購入時の逆指値注文(買い)

追尾購入時の逆指値注文(買い)

価格が上昇した際に購入したい場合にも逆指値注文は有効です。

例えば900円以上1000円未満のレンジを一定期間価格が行ったり来たりしており、もしレンジを上抜けして価格が1000円を超えると更なる価格上昇が見込める場合に1000円へ買いの逆指値注文を行う場合です。

なお、信用取引で売り注文を出している場合には、損失限定や利益確保を目的とした買いの逆指値注文を行うことも可能です。

サラリーマンや主婦など常時株価の動きを追うことが難しい方でも逆指値注文の利用で注文が自動で実行されるため、相場急変時の収益チャンスロスや不測のリスクへ備えることができます。

取引の可能性を最大限引き出すためにも、取引のリスクを最小限に留めるためにも逆指値注文を上手く活用するようにしましょう。

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