株式投資は株式市場が開かれている午前中の朝9時から11時30分、午後の12時30分から15時の間で株の売買が行われています。

日中、なかなか投資を行う時間がないサラリーマンや専業主婦の方の場合は、参加しずらいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな、株式市場の限られた時間以外でも株式の売買ができるのがPTS取引です。

PTS取引は株式市場の時間外でも取引可能

PTSとは、Proprietary Trading Systemの略で、日本語では「私設取引システム」を意味します。

証券取引所の開始前や夜間取引など、証券取引所で決められた利用時間以外でも株式投資の取引ができるシステムです。

このPTSのおかげで、昼間働いている会社員の方も、時間外や夜間などでもリアルタイムでの株取引が可能になりました。

PTS(引用:楽天証券)

PTSのしくみ

PTSは投資家が東京証券取引所などの証券所を経由せず、株式などを売買できる私設取引システムです。

投資家が出した注文は、証券会社を通じて証券会社が接続している私設取引システムへ取り次がれて約定する仕組みとなっています。

以前は大和証券やマネックス証券などが個別運営しているPTSが存在していましたがいずれも撤退したため、現在国内で運営されているPTSは2つのみとなっています(※2019年7月時点)。

1.ジャパンネクストPTS(JNX)

ジャパンネクストPTSはSBIジャパンネクスト証券株式会社が2007年8月より運営している国内最大のPTSです。

取引可能時間はデイタイム・セッションが8:20~16:00、ナイトタイム・セッションが16:30~23:59となっており、夕方以降の夜間取引に対応していることが特徴です。

2.チャイエックスPTS(Chi-X)

チャイエックスPTSはチャイエックス・ジャパン株式会社が2010年7月より運営しているPTSです。

取引可能時間はデイタイム・セッション8:00~16:00のみとなっているため夜間取引の取り扱いはありませんが、ジャパンネクストPTSより早朝取引が20分早く開始できるという特徴があります。

取引時間は証券会社によって異なる

2019年7月現在、PTS取引が可能と謳っている証券会社はジャパンネクストPTSもしくはチャイエックスPTSいずれか、もしくは両方へ接続している必要があります。

なお、PTS取引可能時間帯は取次先のPTSシステムと異なる場合もあり、証券会社ごとによっても異なるためPTS取引を目的に証券会社へ口座開設を行う場合には、その証券会社のPTS取引可能時間帯をあらかじめ確認するようにしましょう。

証券会社ごとのPTS取引可能時間

具体的にPTS取引サービスを提供している、SBI証券の取引時間を見てみましょう。

SBI証券はジャパンネクストPTSへ接続しており、ナイトタイム・セッションに対応しています。

SBI証券のPTS取引可能時間

<デイタイム・セッション

8201600

通常取引の場合、取引不可な寄り付き前の40分やお昼休みの11:30-12:30、引け直後の15:00-16:00に取引が可能になります。

<ナイトタイム・セッション

17002359

また、SBI証券はジャパンネクストPTSへ接続しており17時以降の夜間取引にも対応しています。

つぎにジャパンネクストPTSとチャイエックスPTS両方に接続している楽天証券のPTS取引時間を見てみましょう。

楽天証券のPTS取引可能時間

<デイタイム・セッション

8001600

楽天証券はチャイエックスPTSにも接続しているため早朝はSBI証券よりも20分早い8:00からの取引が可能です。

<ナイトタイム・セッション

17002359

ナイトタイム・セッションは楽天証券はSBI証券と同様にジャパンネクストPTSへ接続していますので、17:00~23:59の取引が可能です。

 PTS取引が可能なネット証券会社の取引可能時間

最後にPTS取引が可能な主要ネット証券会社のPTSシステム、取引可能時間帯を整理しておきましょう。

証券会社名

ジャパンネクストPTS

チャイエックスPTS

PTS取引可能時間帯

デイタイム

ナイトタイム

SBI証券

×

8:20-16:00

17:00-23:59

楽天証券

8:00-16:00

17:00-23:59

松井証券

×

8:20-15:30

17:30-23:59

マネックス証券

×

9:00-15:00

2019年7月時点で主要ネット証券会社でPTS取引を導入しているのはSBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券の4社です。

中には、マネックス証券のようにジャパンネクストPTSへ接続はしているものの夜間取引には未対応の証券会社もいるため、PTS取引を目的に証券会社を選ぶ場合には各社のPTS取引可能時間を事前に確認しておくようにしましょう。

なお、2019年7月時点でPTS取引可能時間帯が最も長いネット証券会社は楽天証券となっています。

PTS取引のメリット

PTS取引のメリットをまとめてみましょう。

1.証券取引所の取扱い時間外でも取引ができる

東京証券取引所をはじめ国内証券取引所の取引時間は9:00~15:00(※11:30~12:30を除く)となっていますが、PTS取引では8:00~23:59(※取引可能時間は証券会社によって異なる)での取引が可能です。

そのため、例えば会社員や主婦をはじめ日中多忙な方でもPTS取引を利用することでリアルタイムでの売買が可能になります。

加えて、15時以降に発表された上場企業決算確認後の売買や日本の夜間に動き始めるアメリカのニューヨーク証券取引所の動向を元にした売買も可能です。

相場でいつ、どのような売買チャンスが訪れるかを事前に予想することはできませんが、売買チャンスを逃さないように備える上でもPTS取引に対応するネット証券会社の口座はいくつか持っておいた方がよいでしょう。

2.証券取引所より有利な価格で売買できる場合がある

同一株式銘柄の価格を比べた場合PTSは証券取引所では価格が異なる場合があります。

具体例を見てみましょう。

市場

売株数

値段

買株数

市場

東証

1000

1000

 

CHX

200

999

JNX

100

998

 

990

200

CHX

989

500

JNX

988

1500

東証

100株買いたい場合、最も安い売り注文はJNX(ジャパンネクストPTS)市場の998円となるため、JNXの市場へ成行の買い注文を入れることができればもっとも有利な値段で100株買うことができます。

また、100株売りたい場合には最も高い買い注文はCHX(チャイエックスPTS)市場の990円となるため、CHXの市場へ成行の売り注文を入れることができれば最も有利な値段で100株売ることができます。

投資家は売買する市場を選択することができるので、PTS市場と接続している証券会社で売買する場合には。投資家に有利な値段での売買が可能となる場合があります。

ただ、板情報はめまぐるしく変動することから注文を出す直前に板情報が変わってしまう可能性があるため、注文のタイミングで自分にとって有利な市場を選択して売買を行うことは事実上不可能です。

その点を補うシステムがSORと言います。

SORが有利な市場を自動で選択

SORとはスマート・オーファー・ルーティング(Smart Order Routing)の略称で事前に有効にしておくことで投資家が売買を行う際に最も有利な市場を選択して注文を執行してくれるシステムがあります。

なお、SORは東京証券取引所の取引時間のみかつ現物取引のみ(信用取引では利用不可)などいくつか制約があるため、注意しましょう。

さらにPTSでは呼値と言われる値幅が東京証券取引所より同じかさらに細かく設定されています。

例えば東京証券取引所では呼値が1円単位の銘柄であってもPTSでは0.1円単位となっている場合があり、より細かい価格での売買ができるため場合によっては自分にとって有利な価格での売買ができる場合があります。

3.証券取引所で取引する手数料が割安

証券会社によっては証券取引所よりもPTSの取引手数料の方がお得な場合があります。

例えばPTS 取引手数料を優遇しているSBI証券の例を見てみましょう。

1注文の約定代金

取引所取引手数料(税別)
※スタンダードプラン

PTS取引手数料(税別)

割引率

~5万円

¥47

¥50

6.0%

~10万円

¥86

¥90

4.4%

~20万円

¥100

¥105

4.8%

~50万円

¥238

¥250

4.8%

~100万円

¥462

¥487

5.1%

~150万円

¥553

¥582

5.0%

~3,000万円

¥876

¥921

4.9%

3,000万円超

¥924

¥972

4.9%

SBI証券のPTS取引手数料は通常の取引所取引と比べて割引が適用されており、スタンダードプランと比べて4.9~6.0%程度お得となっています。

なおSBI証券の場合、SOR有効中の注文時に全数量がPTS市場で売買成立時した際にのみPTSの取引手数料が適用されます。

PTS取引の注意点

最後にPTS取引の注意点をまとめてみましょう。

1.市場参加者が少ないことによる流動性の低さ

PTSは私設取引システムですので、利用者数が東京証券取引所での通常取引と比べると圧倒的に少なくなります。

そのため、東京証券取引所の取引時間と比べて売買数量は少なくなり値動きも限定的となる場合が大半です。

2.取引可能な銘柄が限定されている場合がある

証券会社によっては取引可能な銘柄数を限定している場合があります。

例えばSBI証券の場合PTS取引可能銘柄は基本的に接続しているジャパンネクストPTS指定銘柄(※SBI証券で取引停止判断を行う場合もあり)に準拠しています。

ジャパンネクストPTSは国内証券取引所の上場普通株式銘柄は基本的に取引可能ですが、取引可能銘柄は日々変化する場合があるためPTS取引時には証券会社もしくは接続PTSのホームページで希望銘柄が取引可能か確認するようにしましょう。

3.配当や株主優待目的の取引タイミングに注意

夜間取引時には翌営業日の日中取引と同様に扱いとなるため、権利付最終日の夜間取引を行っても配当や株主優待の対象とはなりません。

配当や株主優待を目的とした取引を行う場合には権利付最終日の日中時間帯までに取引を完了させるようにしましょう。

PTSのまとめ

PTS取引は投資家にとって取引時間や注文の幅を広げ投資可能性を高める有益なサービスです。

時間帯によっては流動性が低いという欠点はあるものの急に取引をする機会が訪れるかもしれません。

そういった際に機会損失を防ぐためPTS取引に対応している証券会社の口座はあらかじめ開設しておくと良いでしょう。

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