株式を購入するということは、その会社に資金を出資している状態となり、その会社の「株主」になるという事です。

株主になると、会社に対して様々な権利が発生します。

どのような権利やメリットがあるのか、分かりやすく解説します。

株主が持っている権利

配当金

1.株主総会での議決権

株主は保有している株式数に応じて、株主総会における議決権が付与されます。

当日は株主総会の会場に入り、他の株主と一緒に決議に参加することが可能です。

株主総会が近くなると、会社から封書で議決権行使書と株主総会への案内書が送られてきます。
議決権行使書は会場への入場券にもなっており、株主総会に参加する際には、入口で議決権行使書を提示して入場します。

議決権の行使は実際に株主総会に参加しなくても書面で行うこともできます。

また、権利であるため、放棄しても問題ありません。
株主総会に参加せず書面での議決権行使も行わなかった場合には、議決権を放棄したことになります。

投資として株式を売買する人にとっては、議決権はあまり興味がないかも知れません。
しかし、会社がどのような経営を行っているのか。今後の成長施策などを知っておくことも大切ですので、株主総会に参加してみるのも面白いでしょう。

2.配当金を受け取る権利

株式会社では、事業で得られた利益の一部を配当金として株主に還元しています。

1年間に配当金を受け取れる回数は会社によって異なりますが、年1回や2回とあらかじめ決められています。

もらえる配当金の金額は、1株に対していくらいと決定されるため、保有している株数に比例します。
例えば、1株の配当金が5円であれば、100株保有している株主がもらえる金額は500円で、1万株保有していれば5万円となります。

1株あたりの配当金の金額は会社の業績により毎年変更され、業績があまり良くない年には、配当金がもらえないこともあります。

株主優待

企業によっては、配当金以外にも「株主優待」として様々な商品やサービスを提供してくれるケースもあります。
これは日本独自の風習で、海外の株式投資では得られることができないメリットです。

優待には、商品券やサービス券、オリジナルグッズ、肉や魚などの食材といったように多種多様です。

受け取る株主優待を金額に換算して、年率○○%と同様の運用方法として計算することもでき、とても人気のある投資手法になっています。

株主優待とは?簡単に分かる株主優待制度のしくみとメリット

3.会社の残余資産を分配して受け取る権利

会社の経営が上手くいかなかったり、多額の負債を抱えてしまったりした場合には、会社が倒産してしまう場合もあります。

会社が倒産すると、清算手続きとして会社は金融機関や取引先などの債権者に対して債務を弁済しなければなりません。

倒産するくらいの状況であるため、弁済が困難なケースが多いですが、債務を全額弁済しても財産が余った場合には、余った財産は株主に分配されます。配当金と同様に、分配される金額は持ち株数に比例する仕組みです。

権利確定日とは

権利確定日

株主の権利は株式を保有している人に与えられますが、株式は株式市場で頻繁に売買されています。
昨日株主だった人が今は株主ではなく、1時間後に再び株主になることも当たり前のようにあるでしょう。

株主の権利が与えられるかどうかの線引きをするために、権利確定日があらかじめ決められています。
具体的には決算月の末日です。
決算月の末日が土日と重なる場合には、最後の平日まで繰り上げられます。

ただ、株主の権利が付与されるかどうかは、権利確定日になってから決まるわけではありません。
権利確定日の2営業日前の段階で決まります。

権利付最終日は、以前は権利確定日の3営業日前でしたが、2019年7月16日の株取引ルール変更に伴う株式受渡日短縮のため現在では権利確定日の2営業日前となっています。

株主の権利を得たいのであれば、権利確定日の3営業日前の日に株主を保有した状態でいるようにしましょう。権利確定日の3営業日前の日のことを権利付最終日と言います。

権利落ち日

権利付最終日を過ぎてから株式を取得しても、株主の権利を得ることはできません。

そのため、権利付最終日の翌日、つまり権利確定日の1営業日前の日のことを権利落ち日と言います。

逆に言えば、権利付最終日の大引けに株式を保有してさえいれば、権利落ち日以降は株式を手放しても問題ありません。
株式を保有していた期間にかかわらず株主の権利が与えられます。前述した株主の権利の他に株主優待に関しても同様です。

権利落ち後の株価への影響

株式投資をする人の中には配当金が目当ての人もいます。

長期投資として株式を購入するのであれば、特にその傾向が強いでしょう。
配当は高くても株価の2パーセント程度ですが、それでも銀行預金の年利と比べれば十分に高いため、余剰資金のある人にとって魅力的です。

権利付最終日が近くなると、その銘柄の需要が高まり、買い注文を出す人が増えます。そのため、権利付最終日の大引けまでは、株価が上昇する傾向が強いです。

逆に、権利落ち日以降になると配当が目当ての人にとっては、その銘柄はあまり魅力がなくなります。

権利落ち日には売り注文を出す人も多いでしょう。そのため、権利落ち日には株価が下がりやすい傾向にあります。

理論的な下がり幅は配当金の金額と株主優待の金額を合わせた金額です。配当金が高い銘柄や優待が手厚い銘柄ほど下がりやすい傾向が強いでしょう。

権利落ち日前後の売買には注意が必要

権利落ち日には、必ずしも理論的な予測通りに株価が変化するとは限りません。

売り注文が増え過ぎて配当金と株主優待の分以上に下がることもよくあります。一般的に株価が下がりすぎた場合には、その後上昇に転じることが多いため、株式を安く購入したい人にとっては、権利落ち日は狙い目です。

しかし、権利落ち日前後の株価の動きを予測するのは難しいです。

他の要素も絡んでくると、権利落ち日でも株価が上昇することもあります。他の要素が原因で株価が下がっていても、権利落ち日が原因と考えて安心してしまう人もいるでしょう。権利落ち日前後は株式投資で利益を出す大きなチャンスになりますが、他の要素も加味して慎重に取引することが大切です。

株主優待目的のクロス取引

株主優待がさまざまなメディアで取り上げられる昨今、権利付最終日と権利落ち日の株価変動リスクを最小限に留めながら株主優待を取得するクロス取引(つなぎ売り)という手法について注目が集まっています。

クロス取引とは権利付き最終日に現物株を保有すると同時に、信用取引で同銘柄株の売り注文を入れておく手法です。

クロス取引を行うことで同銘柄・同価格での買い注文と売り注文を同期間保有するため株価の値動きによる損失発生リスクを無くし、権利付最終日での株式保有達成で株主優待を獲得することができます。

クロス取引の方法

1.権利付最終日の株式市場開始前(8時59分まで)までに株主優待目当ての銘柄で2つの注文を行う

・現物株買い注文(成行)

・信用売り(空売り)注文(成行)

この2つの注文は当日の始値で約定します。
株式市場開始後では2つの注文を同時に手動発注しようとしてもタイムラグが発生し同値での約定とはならないため注意しましょう。

2.権利付最終日を終えるまで購入した現物株、並びに信用売り注文を保有する

権利付最終日途中で株を手放してしまうと株主優待は手に入らないことに注意しましょう。

3.権利付最終日の株式市場終了後、現渡(品渡)の注文を行う

現渡は手数料がかかりません。
保有中の現物株を売り、信用売りを決済注文しても同様の効果となりますが、その場合は売買手数料が余計に掛かってしまうため注意しましょう。

なお、クロス取引を行う際の注意点にも触れておきましょう。

クロス取引の注意点

1.取得条件が長期保有の株主優待はもらえない

株主優待を設定している株式銘柄の中でも取得条件を付けている銘柄があります。

例えば、サイゼリヤ(7581)の場合を見てみましょう。

サイゼリヤは同名のイタリアン・ファミリーレストランを全国へ展開している外食チェーンです。

サイゼリア

 

サイゼリヤの株主優待は100株以上を継続保有することが条件となっているため、権利付最終日のみの株式保有では株主優待を獲得することはできません。

クロス取引など株主優待目的での短期保有を行う場合には、目的銘柄の株主優待取得条件を事前に確認するようにしましょう。

2.権利付最終日での信用売りは配当落調整金というコストが掛かる

権利付最終日の時点で該当銘柄での信用売りをする場合、配当落調整金というコストが発生します。

クロス取引の場合は現物株保有分の配当金はもらえるものの、信用売り分の配当落調整金が掛かることになります。
配当落調整金は配当金より15.315%(所得税・特別復興所得税)が引かれた金額であるのに対し、配当金は税率20.315%(所得税・特別復興所得税・住民税)が引かれた金額となるため、受け取る配当金額より支払う配当落調整金額の方が高い金額となります。

そのため、配当に関する最終収支はマイナスになることを理解しておきましょう。

3.制度信用取引時には逆日歩が発生するリスクがある

信用取引には、一般信用取引と制度信用取引の2種類があります。

制度信用取引は投資家が証券会社から株を借りて信用売りを行いますが、証券会社側で貸し出す株が不足した場合、証券会社は機関投資家から株を調達して投資家へ貸し出します。
その際、投資家は貸株料の他に逆日歩というコストを負担しなければなりません。

逆日歩は発生するかどうか、発生額がどの程度になるかは事前には分からないため予想外のコストが発生する場合があります。

それに対し、一般信用取引は証券会社が独自に調達した株を貸し出し機関投資家からは調達しないため逆日歩が発生することはありません。

貸株料は制度信用取引きより高めに設定されていますが逆日歩発生リスクはないため、クロス取引を行う場合には一般信用取引を利用するようにしましょう。

クロス取引はやり方を間違えると損失が発生する場合もあるため実行するためには事前に信用取引の仕組みを理解しておくようにしましょう。

参考記事:株の信用取引とは?信用買いと空売りのしくみや危険性

株の権利落ちまとめ

長期投資をする人や少額で株式投資をしたい人にとって、配当や株主優待は魅力的で大切なものです。

曜日などの関係で権利落ち日が分かりづらいこともありますが、権利落ち日前後に売買する場合には、日にちを確認した上で注文を出すようにしましょう。

証券会社のホームページなどにも、当月決算銘柄の権利落ち日と権利付最終日、権利確定日が表示されています。

あなたのお金の貯め方・増やし方は?

全然お金が貯まらない。。

まずは元本保証で安心な貯金でコツコツ積み立て。

積み立て式の貯金

なるべくリスクを少なく増やしたい

積み立てに向いた投資商品を紹介。

投資の種類

楽して増やしたい

最新のAIを活用して、おまかせ投資。

ロボアドバイザー

ハイリスクでもハイリターンで増やしたい

ビットコインなどの仮想通貨でがっつり稼ぐ

2017年は1年間で10倍以上も