投資信託などを利用した積立投資は1,000円など少額からでもできるので、元手の資金が少ない方でもすぐに積立をはじめることができます。
本記事では積み立てに向いた投資商品の選び方や、積立投資の心構えなどについてまとめています。
投資信託、ETF、REIT、株式、FXなどの商品の特徴やそれぞれのメリット・デメリットを明確に述べていますので、リスクとリターンなどから、どの投資商品が自分の積立投資スタイルに合うのかの判断に役立ててください。
いよいよ2018年1月からNISA(少額投資非課税制度)に積立用のつみたてNISAも開始します。
積立投資に関心のある方々には、積立をはじめる絶好の好機です。
投資商品を選ぶポイント
積立で投資を行う場合、何を基準に投資商品を選べば良いか。そのポイントを紹介します。さらにポイントごとに詳しく解説していきます。
<投資商品を選ぶポイント>
1.長期に渡って継続して投資
2.多様な金融商品に分散
3.手数料などのコストが低い
4.自分の金融知識や費やせる時間で考える
5.毎月の金額から考える
1.長期に渡って継続して積立投資
目先の利益ではなく、長い目で見ることが積立投資の基本です。積立投資は、毎月少額のお金を少しずつ長い期間、積み立てながら投資する手法です。そのため、短期的にお金を莫大に増やすことはできません。
長期的に時間をかけて大きなお金にしていく、長期の資産形成に最適です。積立投資は、複利効果によって資産を増やす投資方法。長期間にわたって投資を続ければ続けるほど、資産が大きくなっていく仕組みになっているのです。
2.多様な金融商品に分散させる
投資は1つの金融資産にまとめて投資しないで、さまざまな種類に分散して投資すればリスクも分散され、安定度も増します。これも積立投信の重要なことの一つです。
投資信託の投資対象は国内外の株式・債券やETF(上場投資信託)だけではありません。株式とは異なる値動きをするREIT(不動産投資信託)やコモディティ(エネルギーや農作物など)など多彩です。積立投信なら低額で投資対象の異なる投資信託をいくつかポートフォリオを組むことでリスクを回避することができます。
3.手数料などのコストを低く抑える
投信積立のファンド選びで重要になるのは販売手数料、信託報酬などの手数料がどれだけかかるかをきちんと確認することです。
販売手数料は、証券会社がファンドを投資家に販売するときに発生した費用を手数料として徴収するものです。
信託報酬は、投資信託の運用・管理にかかる費用で証券会社が運用会社に支払うものです。
最近では販売手数料が無料のノーロードファンドが充実しています。また日経平均株価などの指数に連動するインデックスファンドは信託報酬が割安です。将来資産をより増やすためには、継続して購入するので手数料をいかに抑えるかです。ノーロードファンド&インデックスファンドをメインにした投信積立をおすすめします。
4.自分の金融知識や費やせる時間で考える
投資に関する知識が少なくてもできる投資から始めてみる。また仕事に支障を来たさない程度で投資に費やせる時間
をきっちり決めて積立投資を始めるようにしましょう。
いずれも無理をしないことが肝心です。変な背伸びや知ったかぶりは大けがのもとになりかねません。実際に積立投資を始めた中でご自身の体験でつかんだもの、それは成功も失敗も含めてこれからの投資生活にプラスになります。
5.毎月の積立金額から考える
積立投資が初心者でも始めやすい理由は、少額から始められることです。現在、最低100円から積立投資が始められる証券会社もあります。ある程度まとまった金額を積み立てたいならば、お小遣いから毎月1万円を投資資金にするのも可能です。住宅ローンや生命保険など家計全体を見直して無理のない範囲で投資費用を捻出するようにしましょう。
積立投資は、長期運用するものですから、具体的に目標金額を設定したほうが良いでしょう。たとえば老後の生活資金として65歳までに3500万円を目標金額とします。証券会社のWebサイトで投信積立のシミュレーションがありますのでそれを利用すれば65歳までに3500万円を貯めるために必要な毎月の積立額、リターン率などが簡単に計算できます。
投資信託で積立
投信積立とは、株式や債権などのさまざまな金融商品を組み合わせた投資信託を、毎月決まった額で購入し続ける投資方法のことです。投資信託を購入する場合、決められた口数に応じたまとまった金額を用意する必要がありますが、投信積立は500円程度から始めることも可能で、元手がない人でも投資を始めることができます。
銀行口座で自動引落にも対応していますので積立もらくらく。積立投信では、ドル・コスト均等法が使われています。価格が低い時に多く買い付け、価格が高い時に少なく買い付けることで、平均購入単価を抑えられます。長期的な資産運用に適した投信積立を行う際、手数料を抑えることが大事です。たとえば販売手数料が無料であるノーロードファンドを購入すると、毎月積み立てて購入する時に発生する販売手数料を無料にできます。
投信積立のメリット
1.少額からでも投資ができる。証券会社によっては500 円から行えます。
2.毎月定額積立による長期運用で買うタイミングの分散ができる。
3.一度はじめたら、銀行口座引き落としなどで自動的に投資を継続できる。
投信積立のデメリット
1.預金や債券のように元本保証されてはいない。
2.積立投信はローリク・ローリターン。 高値掴みはしないが、 底値で買うこともできない。
3.ETFに比べて投資信託は信託報酬(手数料)が高い。
積立向き ◎
ETFで積立
ETF(上場投資信託)投資を始めるのには通常、数十万円単位のまとまった金額が必要です。少額の資金でもETF投資を始めたい。そこで生まれたのがETFの積立投資です。
ETFで積立投資する方法としては、るいとう(株式累積投資)があります。毎月一定の金額で株式を買い続けていく投資商品です。るいとうを利用すれば、毎月1万円(1万円以上1000円単位等)からETF投資を始めることが可能となります。さらに、さまざまなインデックスファンドに連動するものが多彩に揃っているのもETFの特徴です。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、JPX日経インデックス400といった国内の主要な株価指数から業種別指数や海外の株式市場、REIT(不動産投資信託)などに連動するETFが数多く上場しています。
証券会社によっては、日本国内(東京証券取引所)のみならず、海外の株式市場に上場している海外ETFまで取引することが可能です。タイプの異なるETFを複数組み合わせて運用すれば、少額でも本格的な国際分散投資を実践できます。
ETFで積立のメリット
1.毎月1万円など少額からETF投資を始めることが可能。
2.積立なので相場を気にせず機械的に投資できる。
3.国内外の株式、国内外のREITなど取引可能。国際分散投資を実現。
ETFで積立のデメリット
1.積立投資では手数料が高くなりがち。
2.るいとうを利用すれば少額からETFへの投資が可能だが、ETFに対応している証券会社が少ない。
3.信託報酬(手数料)や売買手数料がかかる。
積立向き △
REITで積立
REITはReal Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略で、投資家から集めた資金で実物の不動産を購入し、賃貸収入や売買益を投資家に還元する仕組みとなっています。投資者は、REITを介していろいろな不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を受け取ることができます。
REITの最大の特徴は現物不動産への投資と比べて、数十万円程度の額から投資ができることです。現物不動産の投資は資金も巨額ですし、手続きや手間も時間もかかります。その点REITでしたら不動産の専門家にお任せです。REITに初めて投資する方には少額から積み立てができる投資信託をおすすめします。毎月定期的に、継続して、一定金額ずつ購入する積立投資は、投資機会を分散して購入価格のバラツキを平準化、いつ購入すればという投資タイミングの悩みも解消します。最低100円から積立投資ができます。また、NISA口座で積立REITを始めれば購入時手数料が0円の証券会社もあります。
REITで積立のメリット
1.少額から手軽に不動産投資ができる。
2.相対的に安定した分配金がのぞめる。
3.定期的に一定金額で購入することで投資リスクの低減化が図れる。
REITで積立のデメリット
1.株式と同じように元本や分配金は保証されてはいない。
2.購入手数料や信託報酬といったコストがかかる。
3.経済不況などで保有する不動産などの評価額が大きく変動する可能性がある。
積立向き ○
株式投資で積立
株式投資積立は選択された銘柄を毎月一定額で株式をこつこつと買付けていく仕組みです。最近では最低投資金額が100円から株式の積立投資が始められる証券会社もあります。株式はまとまった資金が必要という印象を払拭、少額から投資できることが、大きな魅力です。毎月一定額ずつ自動引き落としで購入できるため、手軽な資金で資産形成ができます。
また機械的に毎月同じ日に購入するので、投資するタイミングを考える必要はありません。その代表的なものの一つが、るいとう(株式累積投資)です。証券会社で毎月1万円以上、千円単位の小額で選んだ銘柄(株式)を積立投資ができる商品です。るいとうを取り扱っていない証券会社でも、るいとうに類似した独自の積立投資サービスを格安な手数料で提供しているところもあります。
株式投資で積立のメリット
1.1万円以上1000円単位で自由に買える。少額で積立投資ができる。
2.毎月定額投資をすることでドル・コスト平均法によりリスクを分散。
3.複数銘柄への分散投資でリスクを低減。
株式投資で積立のデメリット
1.通常の株を購入するよりも手数料が高め。
2.株式投資積立は利用できる証券会社が限定されている。
3.銘柄は各証券会社が設定している銘柄しか選べない。
積立向き 〇
FXで積立 (SBI FXトレードの積立FX)
従来のFX(Foreign Exchange 外国為替証拠金取引)は、短期運用でハイリスク・ハイリターンという印象が強いものでした。積立FXは長期運用向きにつくられた商品で、FXの良さを生かしたいわば外貨預金と似た感じの商品です。
これまでのFXの最低投資金額は米ドルでしたら1000ドルでしたが、積立FXは1通貨単位、1ドルから取引可能です。レバレッジは通常のFXの場合、最大25倍ですが、投資初心者の方向けに最大3倍に制限されています。少額を定期的に積立するのでFXに興味があった方も気楽に始めることができます。また証券会社が万が一破たんした場合も投資資金は信託保全されます。ここも外貨預金との大きな違いです。ただしスプレッド(手数料) がFXよりも割高。積立設定が行えるのは買いポジションだけ、トレンドが円高になっても売りポジションは非対応。さらに口座引き落としができないという弱点もあります。
FXで積立のメリット
1.設定した日にちで定期的に外貨を自動購入、レートを気にしながらの取引は不要。
2.レバレッジは最大3倍に制限、急激な為替変動によるロスカットや保証金不足となるリスクを軽減。
3.うれしい少額取引、1ドルから購入可能。
FXで積立のデメリット
1.スプレッド(手数料) が通常のFXよりも高め、でも外貨預金よりは割安。
2.積立FXは新規買いのみで売りは不可、FXのように下落局面での為替差益を狙うことはできない。
3.口座引き落としに未対応、入金はご自身で行うので入金を忘れると積立ができないことも。
積立向き △ (手法による)
積み立て向け金融商品一覧表
種類 | 必要知識 | 自動積立 | 最低資金 | 収益性 | リスク | コスト |
---|---|---|---|---|---|---|
貯金 普通預金 | ◎ 小 | ◎ 可能 | ◎ 1円 | × 極小 | ◎ 小 | ◎ 小 |
貯金 積立定期 | ◎ 小 | ◎ 可能 | ◎ 千円 | × 極小 | ◎ 小 | ◎ 小 |
国債 | ○ 中 | × 不可 | ○ 1万円 | × 極小 | ◎ 小 | ◎ 小 |
iDeCo 元本確保型 | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 5千円 | × 極小 | ◎ 小 | ○ 中 |
おつり投資 | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 5円 | × 小 | ○ 中 | △ 中 |
iDeCo 投資信託型 | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 5千円 | ○ 中 | ◎ 小 | △ 中 |
投資信託 インデックス | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 100円 | ○ 中 | ○ 中 | ○ 中 |
投資信託 アクティブ | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 100円 | ○ 中 | ○ 中 | △ 中 |
ETF | ○ 中 | × 不可 | ○ 1万円 | ○ 中 | ○ 中 | △ 中 |
REIT | ○ 中 | ◎ 可能 | △ 10万円 | ○ 中 | ○ 中 | △ 中 |
ロボアドバイザー | ◎ 小 | ◎ 可能 | ◎ 500円 | ○ 中 | ○ 中 | △ 中 |
保険 養老保険 | △ 高 | ◎ 可能 | ○ 1万円 | ○ 小 | ○ 中 | △ 高 |
貴金属投資 | ○ 中 | ◎ 可能 | ◎ 千円 | ○ 中 | ○ 中 | △ 高 |
株式投資 個別銘柄 | △ 高 | × 不可 | △ 10万円 | ○ 高 | △ 高 | ◎ 小 |
不動産投資 | △ 高 | × 不可 | △ 100万円 | ◎ 高 | △ 高 | △ 高 |
FX | △ 高 | ○ 可能 | ◎ 100円 | ◎ 高 | △ 高 | ◎ 小 |
仮想通貨 | △ 高 | ○ 可能 | ◎ 100円 | ◎ 高 | △ 高 | ◎ 小 |
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