株式投資は単元株での取引が基本で、通常は100株単位で扱われています。
なので、企業の株式を購入するためには、ある程度のまとまった資金が必要です。
ミニ株(株式ミニ投資)は、株式市場の活性化を目的に、株式を小口で購買できるような金融商品です。
株式取引は通常1単元が100株ですが、ミニ株は1単元の10分の1の単位(10株)で株式取引ができます。
ミニ株は、少額から投資ができ、株式投資と同じように配当金や株主優待も得られるので、投資初心者の方をはじめ資金が豊富でない方でも取り組める投資方法です。
このページではミニ株を扱っている証券会社、手数料、銘柄の選び方、配当や株主優待を得られる条件などを取り上げています。
またNISA(少額投資非課税制度)と組み合わせれば、いっそうお得に運用できるようになるので、合わせて紹介します。
– | 単元株 (通常取引) | 単元未満株取引 (S株・ワン株・プチ株) | 株式ミニ投資 (ミニ株) |
---|---|---|---|
取引単位 | 単元株単位 | 1株単位 | 単元株の1/10 |
取引タイミング | ザラ場中いつでも取引可能 | 1日2回(前場・後場の寄付き価格) | 翌日の寄付価格で約定 |
株主優待・配当金 | 会社から受け取る | 会社から受け取る | 証券会社経由で受け取る |
ミニ株を取り扱っている証券会社
ミニ株を取り扱っているのは下記の4社です。
マネックス証券ではワン株、SBI証券ではS株、カブドットコム証券ではプチ株、野村ネット&コールではまめ株とそれぞれに独自の名称で提供しています。
ミニ株の手数料比較
ミニ株の手数料は、単元株での取引よりも手数料がやや割高傾向にあります。
約定代金で各社手数料に違いがありますので、ミニ株の売買の予算に応じて証券会社を選びましょう。
手数料の安さから見るとマネックス証券とSBI証券の2社です。
長期保有という観点からではカブドットコム証券のプチ株積立は積立回数6回目以降が手数料半額になりお得です。
ミニ株名称 | 売買手数料(税抜) | ||||
---|---|---|---|---|---|
手数料 | 約定代金 | 約定代金 | 約定代金 | 約定代金 | |
ワン株 | 約定代金×0.5% 最低48円~ | 48円 | 50円 | 250円 | 500円 |
S株 | 約定代金×0.500% 最低50円~ | 50円 | 50円 | 250円 | 500円 |
プチ株 | 約定代金×0.5% 最低48円~ | 48円 | 100円 | 250円 | 500円 |
まめ株 | 一律1.08% 最低540円 | 540円 | 540円 | 540円 | 1,080円 |
各証券会社のミニ株取扱銘柄数
ミニ株はすべての上場銘柄が、購入の対象ではありません。
各社とも約3,200銘柄と取扱銘柄数は横並びですが、取扱銘柄はそれぞれの証券会社で違います。
ミニ株ではどの銘柄を選べばよいのでしょう?
銘柄選びの基本は、3つのリターンから考えましょう。
1.株式値上がり益
買ったときより高い値段で売ることによって得られる株の売買差益
2.配当
企業が利益を出したとき、利益の一部を株主に還元するお金
3.株主優待
企業が一定の株数以上を保有している株主に自社製品やサービスなどを贈る制度
好業績の会社や将来性のある会社を投資対象にするためには、ネット証券会社の情報や会社四季報などでよく調べて研究することです。
留意しておきたいのは1単元が1株の銘柄はミニ株では購入できないことです。
ミニ株の取扱銘柄数を比較
ミニ株名称 | 取扱銘柄数 |
---|---|
ワン株 | 約3200銘柄 |
S株 | 約3200銘柄 |
プチ株 | 約3200銘柄 |
まめ株 | 約3200銘柄 |
ミニ株の配当・優待
ミニ株は株式と同様に株価が上がれば利益が出ますし、保有株数に応じて配当金も出ます。
また、株主優待も単元株数に達したときにもらえます。つまり、単元株に達しないと株主優待の権利が得られないということでもあります。
ミニ株名称 | 配当金 | 株主優待 |
---|---|---|
ワン株 | あり | あり |
S株 | あり | あり |
プチ株 | あり | あり |
まめ株 | あり | あり |
ミニ株は取引回数に注意
ミニ株のデメリットの一つが、1日あたり1回しか取引できないことです。
しかし、1日に2回取引できるミニ株があります。それが、SBI証券のS株です。
注文を受けた時間帯で午後の取引の始値(最初の株価)、または翌日の午前中の取引の始値(最初の株価)を売買価格とします。
引用:SBI証券
NISA口座とセットがおすすめ
NISAとは、毎年120万円まで投資で得た収益が最長で5年間非課税になる制度
NISA(少額投資非課税制度)は2014年1月から2023年まで、毎年120万円(2015年までは100万円)までの投資で得た収益が最長で5年間非課税になる、すなわち課税されない制度です。通常、投資をして収益がでれば課税されます。たとえば、投資をして10万円の収益が出た場合、この10万円に20%が課税されるので2万円が税金で、手元に残るのは8万円となります。ですが、NISAを活用して投資すると非課税枠内なので10万円の収益すべてが残ります。
NISAでミニ株の収益を非課税に
少額投資のミニ株とNISAは相性がぴったりです。NISA口座を開設して120万円の上限枠をフルに活用してさまざまな銘柄をミニ株で購入して分散投資して値上がり益や配当を非課税にすることができます。
覚えておきたいNISAのポイント
- NISAを利用するには証券会社や銀行、一部の生命保険会社などの金融機関でNISA口座を開かなければなりません。日本に住む20歳以上の方ならどなたでも開けます。
- NISA口座は1人1口座。
- NISAの対象商品は上場株式やETF、REIT、株式投資信託などです。
- NISA口座で購入した商品の売却はいつでも可能ですが、売却してしまうとその分の投資枠は使えなくなります。また使わなかった投資枠を次の年の繰り越すこともできません。
- 2015年からは、手続きをすれば年単位での金融機関の変更が可能に。5年の非課税期間に商品を売却する以外に期間終了の翌年のNISA口座に引き継ぐ方法ロールオーバー)、課税口座へ移す方法があります。
ジュニアNISAで非課税上限をアップ
2016年4月からジュニアNISA制度が始まりました。未成年のお子様のための少額投資非課税制度ですが、NISAの年間120万円の上限枠にジュニアNISAの年間の上限枠80万円を付加すればNISA口座で取引される額が200万円まで増額されます。ただしジュニアNISAはお子様が18歳になるまで引き落としはできませんのでご注意ください。
ジュニアNISAのポイント
- 利用可能な人―0歳から19歳までの未成年者。
- 非課税購入額の上限―毎年80万円 5年の非課税期間 合計400万円
- 運用管理者―保護者(15歳以上なら本人も可
- 金融機関変更可否―不可能
- 対象商品―上場株式、投資信託など
- 売却―いつでも可能
- 払い出し(出金)―18歳までは不可(引き出すときに課税される)
ミニ株の証券会社の選び方まとめ
株式投資にはまとまった資金が必要だと思っていた方でも、ミニ株なら数万円程度から投資ができます。
少額なので多彩な銘柄が購入することができます。
分散投資や株価の値動きを実感してみることは、投資初心者の方にとっては貴重な体験となります。
ミニ株はこれからの株式投資への経験値を上げるために役立つ商品といえます。
各証券会社のミニ株をよく比較検討されてミニ株で投資ライフデビューしてみませんか。
ミニ株で気をつけたいのは、短期売買では手数料の方が高くついてしまう可能性があることなので、中長期の取引をイメージされた方がより高い収益がのぞめます。
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