『インベスターZ』は、2013年から2017年までモーニングに連載されていた「お金・投資・経済」などをテーマとしたマンガです。

作者は『ドラゴン桜』や『マネーの拳』『エンゼルバンク』などの作品も書いている三田紀房氏。
全21巻で完結しており、コミックス発売が累計100万部を突破した漫画として人気があった作品です。

2018年7月には、テレビ東京で実写ドラマ化されることが発表されています。

簡単なあらすじ

『インベスターZ』の舞台は、札幌にある道塾学園という全国屈指の超進学校。
その道塾学園の中等部に、トップの成績で入学してきた主人公の財前孝史。

財前は「学年トップの生徒は投資部に入部する。」という学園のしきたりの元で、一部の生徒しか知ることが許されない非公開の「投資部」に入部することになります。

この道塾学園は入学金や授業料、食堂での食事が無料というシステム。
実は裏で各学年トップの生徒たち6人が集まり、「投資部」の約3,000億円もの資産を投資によって運用し、その利益を学園の運営資金にして独立した経営を行っているのです。

引用:「インベスターZ」 三田紀房/コルク

道塾学園を創設した豪商 藤田金七の「学校運営にかかる経費は資産運用の利回りで賄い学外からの一切の援助を受けない」という理念に基づき、約130年に渡って「投資部」が極秘の地下室で投資を続けています。

財前は先輩達の指導を受けながら、株やFXなどさまざまな投資に挑戦していくストーリーです。

『インベスターZ』で何が学べるか

投資や経済という一般的には入り込みにくいテーマが題材です。

マンガの絵やストーリーだけではなく、どうしても用語や事象の解説をセリフや吹き出しで行う必要があるので、読むのが面倒と思う方がいるかも知れません。

しかし、登場するキャラクターのインパクのあるセリフであったり、財前の知識習得のため情報が分かりやすく紹介されるので、なるほどと考えながら読み進めることができます。

引用:「インベスターZ」 三田紀房/コルク

生活に密着したお金に関する知識や、就職から結婚に関するお金の話が盛り込まれ、楽しみながら「金融・経済・投資の知識」が学べるマンガです。

『インベスターZ』の参考になるポイントを解説

1.お金の知識

普段日常的に使っている「お金」

最近は、クレジットカードやスマホ決済、ネット銀行の利便性が高まり現金を使う機会が減っています。
しかし、給料をもらったり、買い物をしたり、サービスを利用したりすると「お金」のやり取りが発生しています。
現物の受け渡しがなくても、データとして「お金」は機能しています。

管理人1号は元の職業柄、1億円程度の現金を手にとって扱っていましたが、ただの「物」としか見ていませんでした。
どれだけ多くの現金が眼の前にあっても、価値がないただの紙切れです。
1億ともなると約10kgの重量になるので、ただの重たい荷物です。

では「お金」の本質とは何でしょう。
考えたことが無い方も意外と多いのではないでしょうか?
そんな「お金」が生まれた背景や、「お金」が持っている特性、銀行や金融などとの人との関わりが描かれています。

「お金」を理解することで、人と人との価値の交換や信用の大切さを学ぶことができます。

引用:「インベスターZ」 三田紀房/コルク

2.投資の基礎知識

投資経験ゼロの財前が、投資部の資産を運用するために色々な投資を行いながら、投資の本質や金融商品の特徴を学び成長していきます。

作品内で紹介されている主な投資商品には株式投資、FX(外国為替証拠金取引)、不動産投資など。

第1巻では何の知識もない財前が、30億の資金をまかされて株式投資を行うことになります。

何の株を買ったらいいのか。
いくら買えばいいのか。
株はどこで買えるのか。

など、誰しもが疑問に思う問題に、財前も頭を悩ませます。

そんな投資初心者の財前にアドバイスを行ってくれるのが、投資部の先輩達。

とくに高校3年生で主将の神代圭介や初代主将の格言ノートなどからは、投資の名言が多く語られます。

第01巻だけでも以下のようなセリフがあります。

「投資にルールなんてない。安く買って、高く売る、これしかない。」

「株は自分の考えなんかいらない。株は法則でやれ。」

「投資を勉強してもなんお意味もないなぜなら・・・・。投資は勉強できないからだ。」

「株ハ入口ニアラズ出口ニアリ」

財前たちのライバル「ガールズインベスターP」

第3巻からは道塾学園を創設した藤田金七の玄孫(やしゃご)美雪が率いる桂陰学園女子投資部(ガールズインベスターP:略してGIP)が、財前たちのライバルとして登場。

投資は日常生活の延長にあるというスタンスの元、身の回りにある物やサービスを提供している会社などへの投資。
「お金は大事!場合によっちゃ命より大事」という美雪は、GIPの部員二人に道塾学園の投資部とは違ったアプローチで投資方法を伝授していきます。

美雪はウォーレン・バフェットを憧れのスーパースター、投資家女子が敬愛する王子様として尊敬しています。
女子中学生がバフェット様と呼ぶのがツッコミどころではありますが、バフェットの投資に対する考え方をわかりやすく説明しているので、面白く読むことができるでしょう。

引用:「インベスターZ」 三田紀房/コルク

3.生活に役立つお金の知識

就活も投資

「就活とは・・・労働者としての一生・・・・40年におよぶ労働時間をどの企業に差し出すかというレースだ。
言い換えれば、これは3億円の投資と言える」

これは藤田家現当主 藤田 繁富の言葉です。
大卒サラリーマンの平均生涯賃金約3億円という値段で、自分の人生の時間を企業に預けているのと同じ状態と話します。
その投資が幸福なリターンになるのか、人生の損益を決める大切なレースのスタートが「就活」であると。

自分の時間を企業に投資して、給料を得るというのはたしかに投資に近いものがあるようにも考えられます。
以前のような終身雇用という制度がなくなりつつある今、企業を選ぶ目を持つのが大切と言えるのかも知れません。

著名人の登場

本誌の特徴のひとつに、著名なビジネスマンや投資家が実名で登場することが上げられます。

決して顔を出さないDMMの亀山敬司氏、ファウンダーの堀江貴文氏(ホリエモン)、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの創業者である前澤友作氏など、マンガならではの語りで、それぞれのビジネスの考えを伝えています。

管理人1号の私見

三田先生がメンタリストDaiGo氏との対談の中で語っていたのが、作品の大きなテーマの一つが「成長」とのことです。
たしかに「ドラゴン桜」「マネーの拳」「エンゼルバンク」など、個人や企業のレベルアップに関する作品が多いように思います。

「マンガは書いたものが評価されないとお金にならない。自分の評価は数字で見るのが、もっともわかりやすい。
評判やイメージではなく、お金という数字で分かるからいい。自分の生きることのすべてをお金に変えたい。吐いた息すらお金に変えたい。」

対談でもこう述べているように、仕事とお金に関してストイックな考えの持ち主です。

たしかに、絵や表現の巧さや芸術性を求める漫画家よりも、お金を効率よく稼ぐツールとして考えている、三田先生らしい考え方だと思います。

三田先生はマンガの絵を記号のような扱いで使っており、デッサンも変な場合が多々見受けられます。
デッサンをわざとデフォルメさせて見せているというよりも、絵をうまく書くことには興味がないのかも知れません。

ビジネスとしてマンガを捉えている、マンガで稼ぐ方法を真剣に取り組んでいる作家だと思います。

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野英人氏との対談でも、日本人の歴史とお金に関するテーマを取り上げており、こちらもおもしろい内容となっています。

三田紀房×藤野英人対談「天下統一だってカネのおかげだ!」私たちが知らない経済史について話そう

『インベスターZ』まとめ

「インベスターZ」レビューはいかがでしたか?
お金や投資の知識をマンガでわかりやすく読んでみたい、と思っている方にはピッタリの作品です。

Amazon kindle Unlimitedでは、第1巻を無料で読むことができます。
十分に楽しめると思いますので、ぜひお試しください。

絵柄は好き嫌いがあると思いますが、内容は投資やお金、経済の基礎知識の勉強になります。

マンガ好きの管理人1号も絵に関しては好みではないです(汗)
でも、三田先生の作品はビジネスの参考になるのですべて読んでいます。

管理人1号